「今日はその言葉、私が言いたいな。友達なんだから――そんな顔しないで? さっきツカサにも言ったの。私は誰に頼まれたわけでもなくて、自分がここにいたいからここにいるの。海斗くんと友達になって後悔したことなんてないし、これからもそんな予定は一切ないの」
 海斗くんもツカサと同じように驚いた顔をした。
「あのね、そこで驚かれると、私ちょっと腹が立つみたい……」
 じとりと海斗くんを見上げると、「え?」と少し焦った表情を見せた。
「一方的に巻き込んだ、とか言ったら本当に怒るからねっ?」
 海斗くんは口を少し開けた状態で絶句してしまった。
 沈黙を破ったのは香乃子ちゃん。
「かばんはロッカーか図書室でしょ? 今持ってるのはそのチビバッグだけだよね?」
 確認されて頷く。
 チビバッグの中には必要最低限のものしか入っていない。