光のもとでⅠ

 ツカサはなんだかんだいっても優しい。
 自分の口で体調不良を言えと言うけど、私が言いづらい状況では強要しないし、今みたいに私が気づかない小さなことにも気づいてきちんと手を打ってくれる。
 冷静に淡々と話す分、言葉がきつく感じることもある。
 自分がつつかれたくないところを容赦なくつついてくるから、時に心が悲鳴をあげることもあるけれど、記憶にある限り、それが私のためにならなかったことはない。
 すごく厳しいけれど、それと同じくらいとても優しい人。

 桜林館の観客席はすでに半分以上が埋まっていた。
 円形ステージ脇に集合した人たちが二重三重に円陣を組み、中心にいる久先輩がいつもと変わらないテンションで声を張る。