「今から予約制度取り入れる」
 そう言ってから無言になった。
 私たちが次にバックヤードに戻ってきたときには広告メールが配信されたあとで、さらにはテーブルの半数が予約できるシステムに変わっていた。
 予約ができるのは学園の生徒のみ。
 つまり、フリータイムの時間制限が課せられている人間のみ、ということ。
「おっ! 早速反応あり! そうだよねそうだよね、そうこなくっちゃ!」
 言いながら受付へと歩きだした和光くんの足取りはいつもより軽やかだった。
 みんながみんな浮き足立つくらいにテンションが高い今日――そこに自分がいて、ちゃんと参加していることが未だに信じられないでいた。
 学校の行事にこんなふうに参加しているなんて、なんだか不思議……。
 ふとすれば、夢なんじゃないか、と思ってしまう。
 そんな中、人と言葉を交わすたびに夢ではないことを胸に刻みつけた。