光のもとでⅠ

「佐野くん、蒼兄からプレゼント預かってるの」
 出かけに渡された手提げ袋から自分の分を取り出し、手提げ袋ごと渡すと感涙するほどに喜んでくれた。
 この場にいるクラスメイトは蒼兄と佐野くんの関係を知らない。
 たいそう不思議そうな顔をしているクラスメイトに、
「御園生蒼樹さんって、俺の憧れのスプリンターなんだっ!」
 佐野くんが蒼兄の話を始めると長い……。
 クラスメイトは饒舌に語る佐野くんを物珍しそうに見ていて、その隣にいた私は嬉しいやら恥かしいやら、奇妙な気分だった。
 でも、「憧れの人」と胸を張って自分の兄を慕われるのはとても嬉しい。
 こんなことがなくても自慢の兄だけど、こんなふうに話してくれる人がいるともっと誇らしい気持ちになる。
 こういうのを優越感っていうのかな?
 新しい感情に名前をつけては佐野くんに追加情報を促す。