格好も格好だから、誰かの後ろに隠れたくなる。
 裾をきゅっと掴んで下を向くと、数歩離れたところから、
「逃げなくてもいーじゃん」
 ちょっと不機嫌そうな声で言われた。
 そのすぐあと、その人は肩越しに空太くんを振り返り、
「意味わかった」
「でしょ? だから、あまり無茶しないでほしいんだけど」
 空太くんが私とその人の間に入ると、壁が一枚できたみたいな安心感があった。
 胸を撫で下ろす私を見たクラスメイトは、私の肩に手をかけたり、頭をポンポンと叩きながらくつくつと笑いだす。
「いい傾向いい傾向」
「っていうか、俺ら今すんごい優越感でいっぱいだし」
 男子が口々に言う。