「そうね、そっち方面は和光たちに任せるわ」
 窓際で外を眺めていた桃華さんが肩越しに振り返り、にこりと笑った。
 同じ衣装を着ているのに、私とは全然違う。
 桃華さんだって普段はこんな格好はしないだろう。
 それなのに、様になるというかしっくりと見える気がするのだ。
「あ、そっか! 情報戦略?」
 その声に振り返ると、希和ちゃんが手をポン、と叩いたところだった。
「そっ! 中等部では情報戦略にネットは使えなかったからね。今回はクラス用のアカウント取得して朝八時にメニューのお知らせと朝一スタッフの情報は送信済み」
 和光くんは楽しそうに話し、パソコンを見せてくれた。
 ディスプレイにはすでに送信された「広告」という名のメールが表示されていた。