このメンバーが好きだな、と思うのに、このメンバーで学校行事を運営執行するのはこれで最後なのね。
 これからお祭りが始まるのに、なんだか寂しい。
 そんなことを考えていると、一際明るい声が降ってきた。
「実行委員ご一行のお出ましだ!」
 背の高い優太先輩が私の背後を指差す。
 桜並木を振り返ると、さっきまで校門で作業していた人たちがこちらへ向かってぞろぞろと歩いてくるところだった。
 人が集団で歩くとだらだらしているように見えることが多いけれど、そんな印象は全く受けない。
 私たちの視線に気づくと、実行委員長の号令でみんなが走りだす。
「別に走ってこなくてもよかったのに。柴内ちゃんてば相変わらず人を待たすの苦手だよねー?」