ふたりとも、「生徒会で待ってる」と、私をここへ招き入れてくれた人。
 その人たちが引退してしまうのは寂しい。
 まだ卒業してしまうわけではないのに、妙にしんみりとしてしまう。
 生徒会でのミーティングは十五分かからずに終わった。
 流れは昨日のうちに確認してあったし、紅葉祭がスタートしていない現時点で何かが起こることはない。
「さすが自慢のメンバー! 問題はなさそうだね」
「こんなところで躓いていたら先が続かない」
 久先輩の言葉をばっさりと切り捨てるのはツカサ。
 こんなことにも慣れっこなメンバーはクスクスと笑っている。
 その中、桃華さんだけが「この男は」と怪訝そうな表情をしていた。