この投票は完全な匿名で行われ、校内二十四箇所に設置されている端末から投票することができるほか、自分の携帯からバーコードリーダーを用いて投票することもできる。
 それらの経過は、生徒が閲覧することのできる学園サイト内にてリアルタイムで見ることができる。
 二日目の投票終了後は、一般向けに公開されている学園サイトにも反映される。
 これらの仕組みを聞けば、来場者の呼び込みに熱が入るというのも頷ける。
 とにかく、この学校の生徒はイベントが大好きで、学校はそれを奨励しているのだ。
 この学校のことは色々詳しくなったつもり。
 それでも、きっと知らないことはまだたくさんあって、それを目の当たりにするたびに私は驚くのだろう。
 いつか蒼兄が笑って言ったのを思い出す。
「その都度驚いたらいいよ」と。
 きっと、蒼兄も高校に通っていたときは今の私と同じようにことあるごとに驚いたのだろう。