でも、きっと何度でもそう思うのだろう。
 それに、今は友達が一緒に歩いているのだ。
 嬉しくないわけがない。
 幸せじゃないわけがない。
「そっか」
 海斗くんが軽く返事をしてくれるのに対し、ツカサからは意外な一言が返ってきた。
「俺も――ここから見える景色は割と好き」
 ほんの一瞬歩みを止め口にした。
 びっくりし過ぎて間が開いてしまったけど、私はその言葉をとても嬉しいと思ったんだよ。
 だから、「それも嬉しい」と呟いたけど、私の声はきっとツカサに届いていない。
 でもね、それでも良かったんだ――。