空は真っ青で、雲ひとつ浮かんではいなかった。
 窓を開けずとも空気が澄んでいることが見て取れた。
「明日もいい天気だそうだよ」
「はい。天気予報、外れないといいな……。外で模擬店をやる団体もあるので、天候がとても気になっていたんです」
「そうみたいだね」
 静さんは物干し竿に吊るしてあるてるてる坊主を指差して笑った。
 実のところ、一週間ほど前からずっと週間天気予報が気になっていた。
 気にするたびに、「天気予報は予報でしかない」「そんな短時間で予報は変わらない」と、ツカサに言われていた。
 わかっていても気になるものは気になる、と繰り返し天気予報を見る私に、ツカサは降水確率の説明を始め、挙句の果てには「遠足を目前にした園児? 児童?」とまで言う始末だった。