光のもとでⅠ

「いや――ただ、緊張して眠れないことになってるんじゃないかと思って」
『…………』
「…………」
 黙るな阿呆……。
 少しは俺の気持ちに気づけ。
『……え? それだけ?』
 申し訳ないけど、「それだけ」だ。
 思わず舌打ちをしたくなる。
 最悪だ、電話なんてかけるんじゃなかった。
 そう思っているところに、翠は少し大きめの声で話し始めた。
『全然悪くないよっ!? むしろ、嬉しいっ!』
 ……こういうの、不意打ちって言わないか?