マンションに帰ってくると、姉さんの家のポーチに明かりがついていた。
 このマンションは季節によって時間は異なるが、外が薄暗くなる前にポーチの明かりが着くシステムになっている。
 が、姉さんと兄さんの家だけは違う。
 人がいないときはポーチの明かりを点けない。
 そうすることで自宅にいるのかいないのかがわかるようにしていた。
 その習慣は、姉さんが病院で仕事をしていたときから変わらない。
 ここのところは俺が帰ってきたらポーチの明かりを点ける、ということが多かったが、今日はすでにオレンジ色の光が灯っていた。
 つまり、姉さんが帰宅しているということ。