「外見じゃなくて中身でいいじゃん」
「中身ぃぃぃ? あんな極悪サド大魔王を好きだなんて、自分がマゾですって言ってるのと変わらないじゃない」
「ちょっとちょっと嵐子さん、俺のことはなんで好きになったんでしょうか?」
「もちろん外見っ! わっ、でも違う違うっ、違うからねっ!? それだけじゃないからねっ!?」
 急に慌て出す彼女が可愛くて仕方ない。
「説得力に欠けるからお仕置きね」
 そう言って、彼女の家近くの公園に立ち寄る。
 自転車を停めて、彼女にキスをした。
 ピタリ、と彼女に寄り添い、背中や腰をまさぐりつつ、触れるだけのキスを三回。
 今が夏だったらセーラーブレザーの中に手をしのばせ、直接肌に触れることができたのに……。