光のもとでⅠ

 これでいいんだろ?
 これで翠は満足なんだろ?
「ありがとう……」
 胸元に抱えていたファックス用紙を握る力が緩んだ。
「同じ会計に属する人間として礼を言われる覚えはないけど――そうだな、ひとつ貸しってことで」
 翠の手から、収支報告の半分ほどを取り上げた。
 翠の手元に残ったのは追加申請の書類と収支報告の半分。
 目に見えて、翠にウェイトがかかっている。
 でも、これは翠が望んでいることだし、これ以上を俺に譲るつもりもないだろう。
 翠はもう一度、小さな声で「ありがとう」と口にした。
 翠がこういう人間だということはわかっているつもり。