「この倒れるかもってときのドキドキ感ったら半端ないよね」
 誰に問うでもなく、長方形の部屋に響く俺の声。
 もう一度携帯を手に持ち、司っちからの返信を読み返す。
 ……大丈夫だ。彼なら大丈夫。
 きっと、このあとの収拾作業まで見越して行動しているのだろう。
 あと数時間もしたら、何食わぬ顔をしてゲストルームに現れるに違いない。
 そのとき、リィが呆然するのかあたふたするのかはわからないけど、そんなリィを目の前にしても、淡々と何か言ってのけるんだろうね。
 そうじゃなかったら君じゃないよね――?