光のもとでⅠ

 目を瞑ったリィの顔を見つつ、左手で部屋の照明を落とす。
 そして、わざわざ出してくれた左腕を布団の中にしまった。
 別に、布団の外に手を出さないと手がつなげないわけじゃないからさ。
 そんな変化にすら、「ありがとう」と小さく口にする。
 俺は何も答えない。
 これが普通でいいんだよ。
 これを普通にさせて。
 ほら、寝ちゃいな。

 ……さて、司っち。
 君、何をしてくれたのかな。
 今、うちのお姫様に何かできるのは君だけだと思うんだけど。
 ……もしかして俺のせい?
 少し考えてみるんだけど、彼がリィを故意的に傷つけるとは考えがたい。