光のもとでⅠ

「うん。なんだったら寝付くまでここにいるけど?」
 空ろだった目に光が戻る。
 そうだよ。こっちに戻っておいで。
「手、つなぐと安心するんでしょ?」
 にこりと笑みを向けると、
「じゃ、少しだけ……」
 控え目な声が返され、少し躊躇いつつ布団から左手を出した。
 俺はベッドを背にして座り、リィと同じ左腕をベッドに乗せ手をつないだ。
 冷たい手――。
 こんな手に触れるとセリのことを思い出す。
 セリのことは妹とは思えなかった。
 でも、リィのことは妹にしか見えない。