光のもとでⅠ

 でも、リィはこの薬をそういう用途では使っていない。
 痛みで身体全体が硬直し、筋肉まで凝り固まってしまうことから、それをほぐすために筋弛緩剤として使っている。
 結果的にはどっちでもいいんだ。
 痛みで不安になっている心を落ち着けるための薬でもあり、筋肉を弛緩させてくれる薬でもある。
 そういう薬。
「……看護師は私なのに、なんだか負けてる気分だわ」
 栞さんが苦笑と共にゴーサインを出してくれる。
「はい、お水」
 グラスに水を用意してくれたのは碧さん。
「とりあえず、寝かせてくる」
「お願いね」
 ふたりに見送られてリィの部屋へ向かった。