光のもとでⅠ

 手洗いうがいに洗顔を済ませたリィに制服を着替えるように言うと、こくり、と首を振って洗面所から出ていく。
 あーぁ……。なんだかかわいそうなくらいに飽和状態。
 いったい何があったんだか……。
 なんとなくなんだけど、学校で何かあったとしたら、それは司っちが関係することなんじゃないかな、と思う。
 俺はうがいと手洗いを済ませると、ダイニングに置いてあるリィの薬箱を開いた。
 その場には碧さんと栞さんもいる。
「こんなときにはこれでしょう?」
 栞さんに見せた薬は抗不安薬。
 巷ではマイナートランキライザーと呼ばれる精神安定剤。