光のもとでⅠ

「でも、身体は疲れていても心が寝るって行為を従順に受け入れてくれなさそうだよね」
 そんなときに飲む薬なら、俺も知ってるんだ。
 リィ、大丈夫。大丈夫だよ。

 九階に着き玄関を開けると、栞さんと碧さんが出迎える。
 栞さんは不安そうに声をかけてきて、碧さんは「何かあったのかな?」くらいの顔。
 やっぱり、本当の母親と、リィが好きでお世話していた人の取る行動や表情って違うよね。
 俺はそんな観察をこっそりとしていた。
「とりあえずリィは寝かせたほうがいいと思うから、それはあとね」
 今、何かを訊きだして興奮させて眠れなくなるのは得策じゃないから。
 俺はリィを連れてふたりの間をすり抜けた。