最近は若槻くんが自発的にゲストルームの家事に触手を伸ばしてきているあたり、私のお役ご免も近い気がする。
 それでも、なんでかしらね……?
 血もつながっていないし、自分の子というわけでもないのに翠葉ちゃんの側にいたいと思うのは……。
 これが俗にいう「情」なのかしら。
「若槻くんに私の仕事を取られてなるものですかっ!」
 自分に喝を入れて家を出た。

 私がこの時間に来ることは三人とも知っているし、私は基本的にこのゲストルームへ入るときにインターホンは鳴らさない。
 それは翠葉ちゃんたちの了承も得てのこと。