「やっべ、俺戻るわっ! 話聞いてくれて助かった!」
「がんばれ、高校生」
 図書棟までの道は一本。
 加減なしに突っ走って図書室に入るとき、女子とぶつかった。
 女子っていうか、飛鳥。
 咄嗟にバランスを崩した飛鳥の腕を取る。
「わわわっ、だっ、大丈夫っ。こっちこそごめんっ」
 飛鳥は慌てて走り去る。
 今、赤面した――間違いなく……。
「まだ勝算あるかも……?」
 ……うっし、がんばるぞっと!