ところは図書室。
 ここでは紅葉祭の準備兼悪巧みが行われ、俺が引っ張り込んだ佐野もよく来る。
 そして、放送委員の飛鳥がいることも多い。
 佐野はいつの間にか生徒会メンバーじゃないとわからないところまで把握していて、周りからも生徒会役委員並みの頼られぶりだ。
 たぶん、誰も佐野がクラス委員だとは思ってはいないだろう。
 正直、猫の手も借りたいほどに忙しい状況だから、手伝ってもらえること自体は願ってもないことで嬉しい限りなんだけど……少しだけ面白くない。
 飛鳥が――飛鳥が俺ではなく佐野のところへ行くから。
 俺に訊きにくればいいのに、佐野のところばかりへ訊きに行くから。
 だから、面白くない……。