「うん、時間をちょうだいって言ったのはそういう意味」
 すると、
「コーヒーに砂糖は?」
 どうやら聞く態勢を整えるためにコーヒーを淹れることにしたらしい。
「スティックシュガー四本」
 司っちは目を瞠る。
「だぁってさぁ、これからちょこっとだけ頭使うし、糖分は必須なわけですよ」
 それでも納得しがたそうに簡易キッチンへ足を運ぶ彼がおかしかった。
 あぁ、司っちって海斗っちとは違う面白さがあるよね。
 ノリとかそういうのじゃなくて、反応ひとつひとつが俺にとってはなんだか新鮮。
 癖になりそう……。
 どうしよう……。秋斗さん、この子俺に譲ってくんないかなっ?
 ま、それはさておき――。
 自分が持ってきたノートパソコンと秋斗さんのマシンの接続を済ませてから、秋斗さんが使っているディスプレイのひとつにリィのバイタルを表示させた。