自分が全然大人じゃないこともわかっていて、そのうえで大人ぶるのってちょっと楽しい。
「あぁ、その代わり、少しだけ司っちの時間ちょうだいよ」
 ディスプレイに視線を固定したまま、両手はカタカタとキーボードを打つ。
 秋斗さんの仕事用回線にケーブルを挿しこんで数十秒。即行、俺の携帯が鳴りだした。