中間考査前と比べれば、資金の流動はかなり緩やかになっている。
 上がってくる申請書はだいぶ減ったものの、収支報告とリトルバンクの照らし合わせ作業においては多少減った程度。
 正直、膨大な仕事量だ。
「どうなのよ、藤宮司」
 斜め前に座る簾条から鋭い視線が飛んできた。
「最初からそれしか考えていない」
 そう、それが俺の答え。
「みんな考えてることは同じよね? 翠葉ちゃんは居場所が欲しいのかもしれないけど、私たちはここに翠葉ちゃんにいてほしい。ちゃんと両思いだって教えてあげなくちゃ」
 茜先輩のその一言でこのミーティングは幕を閉じた。
 そのあと、俺と優太は会計の調整に入り、茜先輩と会長、漣と海斗は歌合せの調整、各部への通達へと行動を移した。