山積みになっている書類の大半は資料を要すもので、翠はそれらを片付けるのが非常に得意だった。
 それは、俺を検索機扱いしていたから片付けられていたと言っても過言ではない。
「会計の山場は越えたよね。モンスターは倒した。あとは小童どもだけ。そのほかだと今日可決された起案書の件のみ? だったらさ、リトルバンクと収支報告書の照らし合わせ作業も超過申請になっている使途不明金未然阻止作業も、全部翠葉ちゃんに任せちゃったら? もちろん、金銭の流れを把握してもらったら動くのは俺たちだけどさ」
 どこか面白そうに笑う優太の視線に心の中で何かが緩むのを感じた。
 このメンバーはよくわかっていると思う。
 翠が特別扱いが嫌なことを。
 迷惑をかけるくらいなら潔く手を引くということも。
 だから、最初からこんな分量の仕事を提案してくる。