光のもとでⅠ

「司?」
 俺に声をかけたのは茜先輩だった。
 その隣には会長がいる。
「茜先輩、これお願いします」
 自分の持っていた手帳やファイルの類を細い腕に託す。
 最後には、学校ではめったに外さないメガネも外した。
「会長、相手してもらえますか」
「珍しいね、いいよ。でも、さすがにテラスはコンクリだから痛いと思うんだけど?」
「受身くらいはまともに取れるつもりです」
「でも、今は俺のこと投げ飛ばす気満々だよね? ま、そう簡単には投げられてなんてあげないけど」
 図書棟前なんてギャラリー満載な場所で組み手を始めたのは浅はかだったと思う。
 けど、そんなことにすら気が回らないほど頭に血が上っていたのだろう。
 礼をしてそれらを終わらせ図書棟に入る。