「キスをさせてくださいね」
断って、軽く彼女の唇に触れるだけのキスをする。
「なっ、急に何っ!?」
「いんや、なんとなく。キスをしたいほどにかわいい奥さんだなぁと思っただけです」
ちゃんと断りを入れたのに、彼女は珍しく頬を上気させた。
「神様、今のは見なかったことにしてくださいね?」
後ろの祠にそんな一言を残し、彼女とふたり、白く美しい球体が並ぶ建物へ向かって小道を歩いた。
今年、色んなことが重なってしまったことに理由があるのかもしれない。
翠葉が人と出逢うため、というとてもシンプルで大きな理由が。
断って、軽く彼女の唇に触れるだけのキスをする。
「なっ、急に何っ!?」
「いんや、なんとなく。キスをしたいほどにかわいい奥さんだなぁと思っただけです」
ちゃんと断りを入れたのに、彼女は珍しく頬を上気させた。
「神様、今のは見なかったことにしてくださいね?」
後ろの祠にそんな一言を残し、彼女とふたり、白く美しい球体が並ぶ建物へ向かって小道を歩いた。
今年、色んなことが重なってしまったことに理由があるのかもしれない。
翠葉が人と出逢うため、というとてもシンプルで大きな理由が。


