「翠葉もきっと喜ぶわ」
碧の涙はすっかり引っ込んだ。
うちの奥さんは娘が喜ぶことを口にすると、自然と表情が柔らかくなり、目元に笑みを浮かべる。
「それにしても、翠葉は意外と奥さんの気質を大いに引き継いでいるみたいだなぁ……」
「え?」
「起案書最後まで作りたかったって相馬先生に噛み付いてた」
つい笑みが漏れる。
「……どうしてそれが私なの?」
眉をひそめ、不服そうな顔をする。
「だって、碧も自分の仕事を途中から人に任せるのはひどく嫌がるだろ?」
「そういう問題かしら」
と、ぷいっとそっぽを向く。
そんなところが猫みたいだな、とたまに思う。
碧の涙はすっかり引っ込んだ。
うちの奥さんは娘が喜ぶことを口にすると、自然と表情が柔らかくなり、目元に笑みを浮かべる。
「それにしても、翠葉は意外と奥さんの気質を大いに引き継いでいるみたいだなぁ……」
「え?」
「起案書最後まで作りたかったって相馬先生に噛み付いてた」
つい笑みが漏れる。
「……どうしてそれが私なの?」
眉をひそめ、不服そうな顔をする。
「だって、碧も自分の仕事を途中から人に任せるのはひどく嫌がるだろ?」
「そういう問題かしら」
と、ぷいっとそっぽを向く。
そんなところが猫みたいだな、とたまに思う。


