光のもとでⅠ

「……私は、相談されてたら反対しか口にしなかったわ。あの子は――何か新しいものを見ることができたかしら」
「話に出てきたけど、起案書って……翠葉たち何をやるつもりなんだろうな?」
 碧はパチパチ、と何度か瞬きをし、きょとんとした顔をした。
「そういえば……紅葉祭なら起案書を作るのは主に実行委員で、生徒会が作る起案書なんて学校長の許可が必要なものだけのはずだけど……」
「だろー?」
「あの子たち、何をやるつもりなのかしら?」
 ふたり視線を合わせて首を傾げる。
「ま、それは楽しみにしておこうよ。あのさ、俺一日だけ休みもらえたんだ」
「えっ? 零も来れるの?」
「うん、一日目だけね。静から誕生日プレゼントだって。日帰りだけど、それでも十分。翠葉が楽しんでいるところを少しでも見られたら幸せ」