「唯、おまえ真面目に本社に戻らないか?」
実のところ、一ヶ月くらい前からずっと打診はしているんだが……。
まぁ、今はまだ無理なことくらいわかってはいる。それに、静様が唯を手放しはしないだろう。
そんなことを考えていると、
「蔵元、若槻はまだだめだ」
秋斗様がこちらを向いた。
「近いうちに使えそうなのひとり入れるからちょっと待ってよ」
「唯以上に使える人間なんて思いつかないのですが」
「うん、今のところはね。誰か使えそうなのいないの? 俺、また仕込むけど?」
と、どうあっても唯を本社に戻すつもりはないらしい。
「俺、本社でもかまわないですよ?」
唯が話しに加わると、秋斗様の顔つきが少し変わった。
「若槻、まだだめだ。本社のあの部屋に入ったらほかとの関わりがなくなる」
……やっぱり。そこまで考えてのことですよね。
「は?」
要領を得ない唯に、
「おまえはまだ若いから。外で色んな人間に会ったほうがいいし、ここにいれば割と色んな経験ができるだろ」
と、説明する。
「……別に俺は――」
唯が俯いた。
「秋斗様、ご配慮感謝いたします」
「蔵元は身元引受人ってだけなのに、若槻の親みたいだな」
と、苦笑した。
実のところ、一ヶ月くらい前からずっと打診はしているんだが……。
まぁ、今はまだ無理なことくらいわかってはいる。それに、静様が唯を手放しはしないだろう。
そんなことを考えていると、
「蔵元、若槻はまだだめだ」
秋斗様がこちらを向いた。
「近いうちに使えそうなのひとり入れるからちょっと待ってよ」
「唯以上に使える人間なんて思いつかないのですが」
「うん、今のところはね。誰か使えそうなのいないの? 俺、また仕込むけど?」
と、どうあっても唯を本社に戻すつもりはないらしい。
「俺、本社でもかまわないですよ?」
唯が話しに加わると、秋斗様の顔つきが少し変わった。
「若槻、まだだめだ。本社のあの部屋に入ったらほかとの関わりがなくなる」
……やっぱり。そこまで考えてのことですよね。
「は?」
要領を得ない唯に、
「おまえはまだ若いから。外で色んな人間に会ったほうがいいし、ここにいれば割と色んな経験ができるだろ」
と、説明する。
「……別に俺は――」
唯が俯いた。
「秋斗様、ご配慮感謝いたします」
「蔵元は身元引受人ってだけなのに、若槻の親みたいだな」
と、苦笑した。


