光のもとでⅠ

 セリは歩くことも許されず、一日に摂取できる水分量も限られていた。
 今のリィよりももっと厳しい制約の中で生きていた。
 リィにそれと比べてみろなんて言わない。
 そうじゃなくて、俺が自分の中でふたりを比べてる。
 そして、もう少しくらいやらせてあげても、と思う。
 だって……リィには多少無理しても異常を知らせてくれる装置がついているんだから。
 それ、もっと有効活用しようよ。

 ――結果、突っ走ってごらん、って言う前に回収作業されちゃったわけだけど……。
 あぁ、なんて悲痛な声なんだろう。嗚咽なんだろう。
 セリもこんなふうに泣くことがあったのだろうか。
 なぁ、セリ……。今、上から見てたりする?
 ぼんやりと埋め込み式のスポットライトを見上げる。
 視界がオレンジ色の光に占拠された。