翌朝、あんちゃんの質問に俺のか弱い心臓が飛び跳ねた。
「翠葉、ちゃんと寝てるか?」ってだけなんだけど……。
 今日、これから病院へ行って相馬先生に諭されるなりなんなりするんだから、何も今言わなくても、と思ってしまった。
 リィもびっくりした顔をして、それでも平静を装うように答えるし……。
 このふたり何してんの?
 お互い、仮面つけたような会話しちゃって……。
 リィが出かける用意をするのに自室へ戻ったとき、思わず零しちゃったよね。
「やめてよ、心臓に悪い会話とか。いつか俺の心臓が俺から逃走したらあんちゃんのせいだからねっ!?」
「……やっぱり言ってもらえないものなんだな」
 そこか……。