いやいやいやいや……。
「不服なのは湊さんでしょ?」
「わかってるならさっさと行ってこいっ」
 俺は靴を脱ぐ前に玄関から追い出された。
「……あのさ、湊さんの車ってどこよ」
 そんな疑問はコンシェルジュが解決してくれる。
 案内された車を見て俺は自分の目を疑った。
「なんでラパンっ!? なんであの人がラパンっ!?」
 すげぇ奇妙な組み合わせ。
 そんなことを思いつつ、リィを迎えにいって帰ってきたら、栞さんも湊さんも普通に笑顔だった。
 いつもとなんら変わらない空気に戻ってた。
 あんちゃんはさすがにちょっとまいった顔をしていたけれど、できるだけ普通を繕っているように見えた。