光のもとでⅠ

「あぁ、やな空気……」
 彼女が出て行った途端に自分のスイッチがオフになった。
 気分的にはだらだらしたいといったところ。
 換気でもして気分転換をしよう。
 それから、お茶、かな。
 翠葉ちゃんが休むことを考慮して、もともと窓は閉めてあった。 
 いつものように少しでも窓を開けていようものなら、テラスの人間にすべてが筒抜けだっただろう。
「いや、プリンタのインクは口実で、窓のチェックでもしてたかな?」
 あの子は意外と機転が利く子だから。
 それらもすべて、自己防衛のために身につけたものなのだろうけれど。
 空はもう太陽の名残すらない。
 テラスでは明かりのもとで作業をしていた生徒たちが最後の片づけを始めていた。
 時刻は七時十九分。
 七時半にもなれば、ほとんどの生徒が下校する。
 見回りを終えた生徒会が帰ればここには職員と俺と警備員しか残らない。