光のもとでⅠ

「残念ながら、何も企んでないよ。企む余裕すらないからね」
 笑って見せると、「信じられない」という視線で見つめられた。
 このあたりで笑顔の応酬は終わりかな。
「ホントホント、余裕なんて全然ないよ。君がどう思っているかは知らないけど、俺にとっては司もどうでもいい人間ではないからね。でも、負けるつもりもなければ彼女を譲るつもりもない」
 言ったところで理解なんてものは得られないだろう。
 それでも別にかまわないけど……。
 司があれを助言と受け取らなくとも、俺が言いたいことは伝わったはず。
 それで十分意味は成している。
 今はこの子に訊かれたことに嘘のない答えを返せればそれでいい。
「……邪魔しないで。お願いだから、あのふたりの邪魔をしないで」
 彼女は唇を震わせながら言うと、キッ、と俺を睨んだ。
 威嚇の仕方が野生動物っぽい。