『それからさ、三十分経ったら翠葉ちゃんを起こしにきてね』
「なんで……。そんなの秋兄がすれば――」
『やだよ。気持ち良さそうに寝てるのを起こすのなんて一度で十分。じゃあね』
そう言うと一方的に通話が切られた。
「秋兄……?」
「そう」
「翠葉、具合悪いって?」
「いや、珍しく熟睡してるらしい」
「珍しいっ!」
「……三十分になったら起こしにいく」
「それって別に司が行かなくても秋兄が起こしてくれればいい話なんじゃないの?」
「同感……」
俺だってそうは思う。
でも、秋兄が口にした理由は単なる口実のようにも聞こえた。
迎えに行ったそこに何があるのか――。
その後、俺は作業に集中できず、単純作業ともいえる書類整理をして二十分を過ごした。
「なんで……。そんなの秋兄がすれば――」
『やだよ。気持ち良さそうに寝てるのを起こすのなんて一度で十分。じゃあね』
そう言うと一方的に通話が切られた。
「秋兄……?」
「そう」
「翠葉、具合悪いって?」
「いや、珍しく熟睡してるらしい」
「珍しいっ!」
「……三十分になったら起こしにいく」
「それって別に司が行かなくても秋兄が起こしてくれればいい話なんじゃないの?」
「同感……」
俺だってそうは思う。
でも、秋兄が口にした理由は単なる口実のようにも聞こえた。
迎えに行ったそこに何があるのか――。
その後、俺は作業に集中できず、単純作業ともいえる書類整理をして二十分を過ごした。


