嬉しそうな顔、珍しくはしゃぐ君。
 慌てて浮き立つ心をどうにかしようと焦る君。
 今日はあとどんな君に会えるだろう。
「今のままじゃ絶対に休めないと思うよ?」
 ソファの端に腰を下ろし彼女の頭に手を置くと、布団の下からこちらをうかがう彼女と目が合った。
「だから、ラベンダーティーでも飲んで少し落ち着いてから寝たらどうかな?」
「……いつもと順番が逆になっちゃうけど、いいですか?」
 俺は声を立てて笑う。
「かまわないよ。でも、今日は俺に淹れさせてね」
 愛しい頭から手を離し、簡易キッチンへ向かいながら思う。
 今、俺にできる提案はこれだけだ――。