それでも俺は、最後には自分を優先する。
 なのに、翠葉には翠葉の気持ちを優先してほしい、と言いきれない自分に気づいてしまった。
 翠葉の味方だなんて公言しておきながら、その答えを知りたくないと思う自分がいる。
 まだ答えが出ていないのなら、そのままでいてほしいと願ってしまう自分が自分を擁護する。
「いいえ、そんな相談なら二十四時間承ります!」
 無駄に明るい声でにこりと笑顔を向けると、翠葉は澄んだ目を細めて礼を口にした。
 罪悪感――ちゃんと感じてる。
 二十四時間相談を受け付けるっていうのは本当。
 どんな話でも聞く。
 でも、できればどっちが好きかわからないなんて相談は受けたくないんだ。
 いや、翠葉はそういう形の相談はしてこないか……。
 もししてくるとしたら、「好きってわかってどうしよう」かな。
 そのときは、今みたいなごまかしは一切抜きで相談にのるよ。
 でも、今日はごめん――。