光のもとでⅠ

 司も気づいていたと思う。
 何か考え事をしていて、だからテーブルに置いてある自分のペットボトルのことにも気づかず飲み物を買いに行っていいかなんて訊いた。
 それに気づかなかったら司じゃない。
 それでも自分が動かず俺を差し向けたっていうのは、秋兄と何かがあったと思ったから?
 それとも、ただ要らぬ人目を引かないため?
 そんなの、今となっては今さらすぎてちゃんちゃらおかしいけど。
 なぁ、司。おまえ、どうしたいの?
 手すりに寄りかかったまま翠葉を見ると、「ううん」と下を向いて緩く首を横に振る。
 そして手を見た。
 自分の手と俺の手を交互に。
「その代わり、手――貸してもらえる?」
「手……?」
 相変わらず翠葉の考えていることはよくわからない。