すでに羽毛布団が用意してあるソファに目をやると、
「いつもすみません……」
 謝る必要なんてどこにもない。むしろ、俺は嬉しいくらいなのに。
「なかなか会えないからね。俺はこんな時間でもすごく嬉しいよ」
 素直に気持ちを伝えてみるものの、返ってくる言葉といえば、
「お仕事の邪魔になりませんか?」
「邪魔というなら俺のほうじゃないかな。タイピングの音、結構うるさいでしょう?」
 苦笑して答えた俺に、彼女は柔からな笑みを向けた。
「いえ……どちらかというと、蒼兄も唯兄も同じキーボードを使うから、自宅と錯覚して安心してしまうみたいです」
「なら良かった。今日も四十五分でいいのかな?」
 なんて平然と答えてみるけれど少し悔しい。