光のもとでⅠ

「車を出しなさい。翠葉は私の友人よ。同級生の家へ行くのに何をそこまでかしこまる必要があって?」
「ですが、もしも静様のお目に留まるようなことがございましたら――」
「内藤――私は簾条を背負うつもりはないけれど、恥を晒すつもりもないの。不満なら結構。表通りに出てバスで行くわ」
 内藤は納得をしたわけではない。けれど、私をひとりで外出させることもできず、車を発進させることを選んだ。
 着物は嫌いじゃない。
 華道も茶道も嫌いじゃない。
 何が嫌いかというならば、格ばかりに拘る人間だちが嫌。
 着物の装いにランクがあるのはかまわない。