光のもとでⅠ

 化けの皮をかぶったごく甘大魔王司にどんなトラップを仕掛ければいいんだか……。
 もう、歌に関しては開き直ってるっぽい部分があるしさ、強いて言うなら翠葉に対するアプローチっていう意味では俺たちができる何か――たとえば、おせっかいのようなものはない気がする。
 だとしたらほかの方法――。
「いやっ、もういいっ! お腹いっぱい胸いっぱいっ、俺、帰るっっっ!」
 空太がテーブルの教材を片付け始めた。
「そっ、空太っっっ! おまえはこんな翠葉と司の中に俺を放置していくのかっ!?」
「するする、高崎空太の融点超えたっ」
 っつーか、俺だってとっくに融解始まってるわっ。
「私、何かおかしなこと言った?」
 相変わらず翠葉はきょとんとしていて、俺の中の「本日のベスト罪人賞」ナンバーワンに輝いた。