車に戻り時計を見れば三時半だった。
今日は日曜日か……。
藤倉から幸倉へ向かう分には道は混まない。そんなことを考えながら車を発進させる。
隣の彼女はアンダンテのタルトの話を嬉しそうに聞いている。
その表情が本当に幸せそうに見えて、なのに心が引き裂かれそうなほどに痛いと感じるのはなぜだろう。
少し期待している自分と、最初から振られるつもりでいる自分が相対しているようだ。
会話が途切れたとき、
「髪飾り、使ってくれたんだね」
「……はい。今日が初めてで……。髪の毛とメイクは栞さんと湊先生がしてくれて……」
と、恥ずかしそうに話す。
「なるほどね。なんかしてやれた気分だ」
実際、してやられたわけだけど、でも……感謝、かな。
「そのワンピースは? いつもとはちょっと違うよね?」
「両親からの誕生日プレゼントだったんです。私にはまだ少し大人っぽい気がしたんですけど……」
不安からか、視線が落ちるのがわかった。
今日は日曜日か……。
藤倉から幸倉へ向かう分には道は混まない。そんなことを考えながら車を発進させる。
隣の彼女はアンダンテのタルトの話を嬉しそうに聞いている。
その表情が本当に幸せそうに見えて、なのに心が引き裂かれそうなほどに痛いと感じるのはなぜだろう。
少し期待している自分と、最初から振られるつもりでいる自分が相対しているようだ。
会話が途切れたとき、
「髪飾り、使ってくれたんだね」
「……はい。今日が初めてで……。髪の毛とメイクは栞さんと湊先生がしてくれて……」
と、恥ずかしそうに話す。
「なるほどね。なんかしてやれた気分だ」
実際、してやられたわけだけど、でも……感謝、かな。
「そのワンピースは? いつもとはちょっと違うよね?」
「両親からの誕生日プレゼントだったんです。私にはまだ少し大人っぽい気がしたんですけど……」
不安からか、視線が落ちるのがわかった。


