香月さんの背を見送りながら思う。
「不快」にさせたというよりは、「傷つけた」のだと。
 私は香月さんを傷つけた。
 わかっていて言いに行ったし、わかっていて伝えた。
 それは香月さんの言ったとおりで「宣言」みたいなものだったと思う。
「ごめんなさい……」
 それでも、私は香月さんに言いたかったんだ。
 ツカサでも生徒会メンバーでもなく、あなたに。
 何か少し違うと思ったの。
 今まで私に文句を言いにくる人とは違うと思ったんだよ。
 本当に生徒会に入りたいんだな、って思えたの。