光のもとでⅠ

「……いいことにしても、いいのかな」
 バスルームに自分の声の残響音が響く。
 手を止めて考えそうになり、はっとして手を動かす。
 一度目よりもモクモクと泡立つその感覚を手に感じながら、ただひとつを目がけて考えを進める。
 リフレインされるのはツカサの言葉。
 ――「生徒会の除名は翠の意思でどうこうできるものじゃない。一度就任した以上、評価が下がらない限り除名はあり得ない。ふたりとも生徒会について理解が浅いようだから言うけれど、規約を理解したうえで行動、もしくは発言してくれないか? 帰宅後に会計の仕事にあたる翠の時間をこういうことに割かれるのは生徒会として迷惑だ。もし、香月さんがどうしても生徒会に入りたいのなら、まずは成績上で翠の上に出ることが必要不可欠だと思うけど?」
 どんなに長くても思い出せるから不思議。