光のもとでⅠ

 安定感が欲しいわけじゃない。バランスを整えたいわけじゃない。
 ただ、前を向きたい。
 そのために選んだふたつ。
 手先足先と徐々にシャワーをかけていき、身体全体に浴びたところでシャワーフックにシャワーヘッドをかけた。
 ザー、と頭からシャワーを浴びれば、頭の大部分を占めていた問題がくっきりと形を露にする。
 寝る前には気持ちを落ち着けるためにお薬を飲んだ。
 けど、今はそっちじゃだめだと思う。
 このあと会計作業と向き合うときの気持ちを固めないとだめ。
「会計」という仕事だけではなく、「生徒会」そのものと向き合わなくてはいけない。
 それに、あんなやり取りをしたあとでもツカサは来る。絶対に来る。
 それは私を気にしてではなく、「会計作業」を気にして。
 そのツカサと会うのに、今の私ではだめだ。
 負ける――。