光のもとでⅠ

「でも、身体は疲れていても心が寝るって行為を従順に受け入れてくれなさそうだよね」
 ゲストルームの玄関を開けると、栞さんとお母さんが心配の表情で出迎えてくれた。
「翠葉ちゃん……?」
 不安そうに声をかけてきたのは栞さん。
 お母さんは、「あらあらどうしちゃったのかしら?」といった感じ。
「とりあえずリィは寝かせたほうがいいと思うから、それはあとね」
 唯兄がその場を仕切ってくれ、私は洗面所へ押し込められた。
「まずは手洗いうがいでしょ?」
「翠葉、ついでに顔も軽く洗っちゃいなさい」
 廊下からお母さんの声がして、私は勧められるままに顔を洗った。
 私が洗面を終えると、廊下で待機していた唯兄が手洗いうがいを始めた。